2017.04.01 詩・草の原で
 
草の原で



帰り道 屋根のない電車に乗って
外を眺めていると
広い広い草の原に差しかかり


暮れなずむ光りに草は黄金色に照らされて 
さわさわ風に揺れ
そこで少年たちが野球をしている


たくさんのグループが あちこちで
監督らしき大人も混じり
球を投げたり拾ったり 走ったり


見る見る日は落ちかかり
白いユニフォームがちらちら
背番号に塗料が縫ってあるのか
少年たちが動くたび 光って見える
光りの粒が きらきら動く


あぁ きれい・・・
見知らぬ同乗者と感嘆しあう

  *

ひとに逢って何か告げることがあって
来たのだった


逢えずの帰路だったが 
伝えたいことって たいしたことではなかった
ような気がしてきた
さびしくはなかった
これでいい


無蓋車の乗り物は心地よく 
空からも 光りの粒が降ってきて 


少年たちが走りまわる広い広い原っぱ

残像を心にとどめた