2014.02.27 雨脚 日脚

 雨 脚               

 

 

きょうの雨は 斜めにもならず

ぽたぽたとまだらにもならず

まっすぐ、まっすぐに降ってくる

 

雨だから と

寒くて と

理由をつけて外出をとりやめ 

閉じこもっている

その怠惰はまっすぐ、認める

 

未明の床のなかで

過ぎた愚の失態や悔を思い出し

厚い壁のような暗闇の底で 起き上がることも

出来なかった

 

じんせいのいろいろなであい、わかれ、

過ぎたすべてに

いまだ

馴れず 頷けることも出来ずにいる

が それらのかずかずを 

避けたりはせず

そのまま 足枷にしよう

と そうおもう

へんに いのったり

てんか

しないで、そのまま

 

しらず おかしているかもしれぬ

罪や悔も

たのしかったことうれしかったことども

あわせて

ぜんぶ、まっすぐ、

ここに、受けよう、

と きょうの落ちる雨を

見ている

 




      日 脚              


 

日に日に影が伸びていきます

 

あらゆるものから伸びて細く長く 

いったいどこへ、

どこまで伸びれば行き着くのか

消えるのか

 

冬の終わりを告げる風が

枝や影を しきりに揺らす

 

風はときに砂塵をまき散らし

空を 地を 眼差しを

漠と曇らせる  

 

曲がった背骨や 

ろっ骨も いくぶん

湿っていくだろう

負った影は その 行く先をかざすのか

追憶を埋めるのか

 

様々に形を落としながら崩しながら

影は伸びて伸びてゆくのでした

 

あらゆるもの

たいせつなもの 不要なもの

それらが みな

ほころびかけ

芽もほころび

燕も やがて飛んでくるのでした



    めまいの再発作?!

 

 2008年以来の再症状かも。。。  

 今回見舞われたのも、たぶん、「良性発作頭位めまい症」

ではないかと思われる。

 

朝のストレッチで横を向いたら突然、急激にグルグル!

天井が回り出し、吐き気に襲われて身体ごと固まって

しまった・・・ 気分の悪いの何の・・・

 

 その前の予兆はあった、夜中にトイレに立ち、戻って

布団に潜り込んだとき、空に見事な半月が見えて、もう一度

見ようと動いたとき、何故か「月」がぐらぐら・・・揺れた、

 あれ! なんだ、これ!?・・・、と思った。

 

その時は目が悪いので、目のせい??  とか、

思いながら見直したら、ちゃんとじっとした月―とっても

美しい月だった―が見られたので、安心してまた眠りに入った

のだった。

 

 

   対処法は?

 

 テレビの番組などで、多少見ていて、耳石がハズレたかして

浮遊しているのだ・・と自己判断のうえ、ゆっくり首を回し

かけるのだが、少しでも動かそうものなら急激な眩暈と吐き気

でどうにもならない・・・  じっと仰向けで安静にしている

しかない。

 

 しばらく経って、そろそろ首を回しかけ、横では苦しいし

発作が出るのでそのままぐるっと俯きにして、そのままダウン・・

状態。そんなことを時間かけてゆっくり繰り返し、

 

 どーにか 危機を脱したようだった。

 ストレッチをいつもより脱力加減に続け(・・こんな時でも

やるんかい!?笑) でも 吐き気と気持ちの悪さと胃痛まで

残したまま、今に至っている。

 

 

    掛かりつけ医がない

 

 このトシで“いつもの医者”が無い・・・ってのは致命的

である。これまで、ただ医者ギライで行かないというだけで、

決して頑丈な身体ではない、しょっちゅう、ダウンしては

寝込んでるし。

 このところ、パソコン買い替えのスタート始め!! 

準備やら何やら・・疲れててストレス満タンで、

新・旧、ちゃんと移行出来るかなど不安に駆られていて、

ネットでバックアップ法など調べたりして、方法はあるって

分かったけど、見ててアタマがクラクラッ!! 

とてもわたしごときでは無理! と 悟った。

 

 最近、この “頭くらくらっ”。。。ってのが多く、

精神的な、コトバの綾??みたいなもんだったけど、

これ、ひょっとすると、めまい発作の予兆だったのかも

しれぬ・・・

 

  

    パソコン買い替えの

 

 悩み・不安等々はちょっと、置いといて、というか、

初期設定の折に プロに頼めば解決できるやも知れない

と、気が付きだしたので(・・・??今頃)

 

 なんだかもう 何でもかんでもひとりでやろう・・・って

ムリなんじゃない?! って開き直ってみることにしたん

である。

 

 

    わたしゃ、山ザル??

 

 それに最近、じぶんのトシも省みず動き過ぎたかも

・・と半省してみる。

 裏山に入り込んでは、雑木の間を縫って登り下りし、

・・・わたしって、山ザルか??  って思うくらい

むやみに動いたりしてた・・ので。

 

 このへんで、ちと自分のトシらしく、ニンゲンー老いたババ

であることを再認識し、年貢の納めどきとし、大人しくしよう・・

 

 身体の疲労はストレスにもつながる? 心配症で不安症の

既往もあることだし。知らずあれやこれやが溜まって、眩暈

発作が再燃したのかもしれない。

 

 

 

  ということで、気を取り直し

 

 母の“ホーム”に飾られた雛壇です

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  キャベツの収穫

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 昔、最初にキャベツを植えた頃、育ってふくらんできた

・・・まではいいが、穫りどきが分からない、

 いつ採ろう・・・、迷ってて、ある日ふと見たら、

緑のレース編み模様になってて、

 ム・ムム・・ムシ~~!!

ニンゲンの口に入る前に丸ごと虫に分捕られてしまった

ことがある。

 

化学肥料や薬などは一切使わず、野菜くずと果物の皮限定

の堆肥の土だけで育てているので、苗に紙で囲いをしたり、

木酢液をかけたりして、育ててます。

 

2014.02.19 二月の風

    二月の風


行き暮れた丘の途上で
つよい風に吹かれる

春は背のうしろにまで
来ているというのに
 
春は逃げ水のよう
待つものに いっとき近付くように見せ
するりと離れていく

丘に立つものすべてを
なぎ倒すように風が吹きすさぶ

     *

薄い雲のあわいから
大観覧車が見える
ゆっくりゆっくり 回る
はっきり動くとも見えず 環を描き
果てしなく切なく
魂を揺らしながら 回りつづける

かすかにゴトン、音を軋ませ
死者と生者が入れ替わる
くろい影が浮遊する
不可思議な予兆をはらみ
尖った風が吹き付ける

大観覧車は ゆっくりゆっくり
まわりつづける

    *

二月に吹く風は
ときに凍えるほど冷たい
しかしまたこの風は
やがて来る春の息吹きの
前触れ

野の下には ほら
膨らんできた
ものの芽が見えてくる


PCと闘い降参の記

 

 

 以下記事は、“特別臨時(余計な補足)バージョン”です!

 

 

 昨日14日更新した「山路を歩く」記事、

 バレンタインデーが雪でホワイトになった日、
チョコなんて無縁のまま、気分は涙色でブログ更新・・・
先週7日金曜、無謀?な登頂した日も、夜半には雪が
降り出したのだ。

 で、昨日のブログ写真を入れるのにやり直しを繰り返し、
苦労?し、
遅くまで掛かって仕上げた・・・、

ものの、納得いかず、

後でまた、「編集」してやり直そう、と試みるものの

上手くいかない・・・、

 

 推測だけど、写真を挿入した画面のやり直しは特に

直しづらい??

 やり直してる最中に、トツゼン画面がプッツン!!

 真っ白に消えてしまったり、あるいはオフ画面にストップ!

 

 画面が固まると、わたしのアタマも固まる、

それ以上に!

悲鳴も出る。。。。 いやぁ~、 ナンデよ~~

 

 

 「山路を歩く」の写真が例えば、

神社を二つ横に並べたかッた・・・、作成の画面では

やり直しの末、二つ並んでるのに、実際のブログ画面では

二つが縦になってる。。。。

 

 途中の「中社(やしろ)」も もう一つ在ったのを抜かして

しまったので、後で挿入しようとしても、出ない・・・

そしてまたもや プッツン!  オフッ!!

 

アカン、もう アカン~~、

 

 わたしのココロもプッツン折れてしまって、

昨日から今日にかけて悄気こんでいるのだ。

 

 

 文の推敲についても、載せる前に見直していても、それでも

なお、後から直したくなる。。。 資質的に結構雑なところも

あるのだが、詩人の持つ繊細さもある(・・と本人は思ってる)

ので、どうしても譲れない・・面も出てくる。

 

 

 けれど、前記・ブログについては、これ以上イジルのは

危険、と察し、結局なにも直せない元のまま状態(・・までは

何とか戻した)である。

 

 だいたい、ブログそのものも、写真のアップデート法も、

すべて我流!(失敗を繰り返しつつ)でやっているので

多分、正しい方法ではなく、どこか間違ったやり方なんだろう

・・と思える。

 

 それにパソコン自体が古い!! 2006~7年の

ウインドゥズme  もう古びて、立ち上がりも遅く、スイッチ

オンしてからキッチンに戻り、お茶椀がすっかり洗えて

しまったりする・・・ 字体の変換も思い通りにいかない、

 思い通りにいかないパソコンに怒っているのか

 出来ないアホな自分に怒っているのか・・・どっちなのか、

 

 まぁ大半、出来ない自分が悪いんですケドね。。。

 

PCアダプタが二つ、モデム、固定電話,フアックス、玄関アラーム

のスイッチ、線がごしゃごしゃの今の状況を目にすると、

クラックラッ・・ 眩暈がしてくる。

 

 あぁ~、パソコン、新しいのに替えたい!

親切な町の電器屋さん 求ム~!!

 

 昨日抜かした中社(やしろ) 昨日抜かした中社(やしろ) ・古墳の小山

庭の梅がほころんできた 
庭の梅がほころんできた

ジュリアンの花 拾ってきた石が並ぶ
 
ジュリアンの花                         拾ってきた小石が並ぶ

2014.02.14 山路を歩く

  山の頂上へ

 

 先週金曜日、雪予報の出た日、午後に家を出て近くの

「山」に向かった。

 

 しんしんと冷え込むが、この寒さはかってスキー場で

体験しているので幾分慣れている。

晴れていても冷たい風がヒューヒュー吹きすさぶ日に

比べたら余程マシ!!

 

 

 山の頂上に登るのは実に久々・・・。少なくとも

十四、五年は経っている。その間、色んなことがあった。

思い出すのもツライ。

 山によく登った頃は、比較的、人生安泰な平凡、な時期

であったので、余計その後、登る機会を逸していた傾向は

ある。

 

 よく登り慣れていた頃は山の真ん中辺りから入り、

深い樹木の間を分け入って道なき道を進んでいった。

今回もそのコースで行きたかったが、もう記憶がはっきり

しないし、山の様相は変わり易いし、もし迷いはぐれて

しまったら、この寒さだしヤバイ。

 

 山裾の広場から最短距離の「登り道」が整備されているが、

そのコースは階段式が多い。たまにパンプスのまま昇っている

女性を見掛けたりするが、結構、キツイ。

 

   

   つづら折りの道

 

 昔のスキーで膝を痛めているわたしは今回も階段式は敬遠。

山端の回り道を往くことにする、途中までは民家もあり、車も

登れるコース。

 

何年振りか・・の道は、左程変わってもおらず懐かしかった

が、やたら看板が増えている。「危険!」 「崖崩れ」

「犯罪多し注意!」など。 「車進入禁止」もあった。

 以前は夜景など見に、夜間に登って行く車多かったのだ。

若い連中が花火などで騒いだりすることもある・・・とも

聞いた。

 

 山のなかの回り道は行けども行けどもつづら折り、先が遠い、

てっぺんが見えてこない、辺り森閑として人気(ひとけ)もない。

 

 と、上からリュックを背負った山登り姿の初老の男性が一人

下りてくるのに出遭う、 「こんにちは~」のわたしの挨拶に

返事は無い。にこりともせず。

 こんな深い山の一本道でひとに出遭ったりするのも逆にコワイ。

 

     

 

   着いた! てっぺんに

 

ようやくの思いで頂上へ。神社も古墳も有る。懐かしい!

神社の前に「登頂記念?ノート」も変わらず置いて有る。

ノートに書こうとしても指がかじかんできちんと書けない・・、

「数十年振りに登った」・・と書いたが、よくよく思い出し

「十四、五年振り以上」に訂正します・スミマセン。

 

 展望台は風雨に曝されて古色蒼然、以前は遥か前方下に

川がうねって光って見えてそれは美しい光景だった。

今はすぐ前の樹木が繁ってよく見えなくなってしまっている。

ザンネン!  でも新しく奇麗なトイレが出来ている。

 

 

 古墳やら巨石などあちこち見て回るあいだに、一人二人

登ってくる男性を見掛けたきり。こんな寒い日に登ってくる

女性なんて居ないでしょうね。。。。

 


    思案の途

 

 さて! 帰り道は、以前の深い林の中を縫っての“道”を

辿っていきたい・・・生来の“放浪癖”が頭をもたげてくる。

 もし、道に迷い、はぐれてしまったらば・・・。

携帯は圏外の赤マークが出る。大声出したって深い山ん中には

誰ぁれもいない・・・。

 

手に持った布袋にはお茶とパンが少し、夜露を除ける晴雨兼用

傘もある、一晩くらいの野宿に耐えられるか・・・?、

みずからのいでたちを省りみれば、カーディガンにショール、

足元は年柄年中、定番の網目模様のケミカルシューズ・・という、

そこらのスーパーに買い物でも・・・の恰好、なんである。

 

 それに昔の道筋が思い出せない、どうにも見付からない。

少し向こうに昔ながらの細い山道が見える。

男性が下りていくのも見えた。

今回は断念して、その男性の後を付いて下りることにした。

 

下山の先は道路に面した・・・、思い出した! やはり昔、

夫も母なつさんもファミリー皆で一緒に登った山の裏手にある

古い道筋だ。

 

 かなり遠回りの道を歩いて無事・帰還。

 一時過ぎに家を出て、帰ったのは四時頃だった。

万歩計―14753歩・有酸素歩数12522歩 

9,5㌔   1時間46分(もっと掛かった感じがする!?)

 

 ***

註・決して高い山ではなく、慣れた山男山女が遭難云々の

記。。。を見たら笑われるかもしれない・笑

 

 

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 20140207135101.jpg  20140207135001.jpg



20140207145016.jpg 中社(やしろ)




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2014神社0207141133 20140207141159.jpg

 


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20140207142855.jpg 展望台から


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頂上にある古墳



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頂上近くにこんな巨きな石がある



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見晴らし台の辺りに植えられた「葉ボタン」

これ、どう見ても「花キャベツ」! でしょ??

朝の風に吹かれたわたしのアタマに似ている?

・・・ん、ん、  いくらか似てるかも。。。。

20140207151906.jpg 後ろ山が登った山 

 


 我が家 の 小さなおにわ
“ゾウのデコ園” 収穫がつづいてます

 

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201402野菜 

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  家での  朝のメニュー

 


201402朝の野菜
 
 201402朝食 


 余分に野菜を用意して、忙しい長女宅に時々持って

いきます

 この日は、すき焼き鍋と、キンピラごぼうなどの常備菜

を車に積んで隣市まで運びました

 

 自分用のはいくらか雑!です・笑 

時間の足りないのを言い訳に。。。

 

 パンは、カンパーニュ、バケット、ブラン(小麦ふすま)入り

フランスパンの三種類

 

 

 

野菜のお皿には、冬野菜の他にしめじやまいたけ、くずきり、

大豆、マカロニも入ってます 
野菜に 自家製の梅酢黒こしょう、黒ゴマなど かけます

ミントがかなり多めに掛かってます・笑

 

ミントがなくては朝が始まらない・・・というくらい、

朝一番の“一杯のお水”代わりにミントにお湯を注いで

飲んでます

 

夏場はバジルや青ジソも入れて

冬はミントしか採れないので、生姜をスライスして干した

ものを足します

 

朝の野菜のお皿だけで、数えてみたら22~3種類くらい

あり、全メニューでは27種類にも・・・

 ただ、それぞれの量は少ないので栄養的には???。。。

 

 

   
    ご当地 「モーニングサービス」

 

 少しお給料が入ったので(・・たまの出勤ですが、まだ

働けることに感謝しつつ) 週末来ている長女とチビ二人

(6歳・3歳)を連れて、モーニング・サービスに

 

 朝の喫茶店に入るのは数年ぶり

 

 野菜も付けてくれるサービスメニューのお店を、最近

見付けたんです!

(お店によってサービスメニューは違います)

 

 チビちゃんたちがテーブルの上を散らかさないうちに

と急いで撮りました

 

201402モーニングサービス  

 

 これで、コーヒー代のみ  380円です

 

 では 頂きます!!

 

 

 旅の”跡”

    欲張り!な旅

 

これまで姉の絵の展示や個展で、東京・上野や銀座へ数回

出掛けている。

 

 最初は上野の森へ

夫と次女と三人で日帰りの旅を兼ねて。

 

 朝早く発って、浅草・雷門を見上げた。休日のいつもなら

朝ご飯の時間である。せっかく、はるばる“おのぼりさん”

するなら貪欲にあちこち回ろう・・・、わたしも若かったし

娘も張り切っている。欲張りな旅に夫を巻き込んで、イザ!

 

 浅草―新橋―ゆりかもめに乗ってお台場・フジテレビのビル内

見学―原宿・竹下通り・明治神宮―有楽町・銀座・・・、

 上野の森美術館に展示されている姉の絵を見に、これだけ

あちこち見て回ったのだ。元気な母娘に連れ回されて、夫は

くたびれはて、拠点の新橋駅の地下でついにしゃがみこんで

しまった。

 

 

***今更だけど、おとうさん、あの節はあちこち付き合わせて

しまって、ほんとに、 ゴメンナサイ・・・です!

 銀座の「ルノアール」で飲んだ珈琲、値段には吃驚したけど、

おっ、 美味い!!   ・・・って喜んでたね!

     

 

 

 

想定外!の旅

 

 つぎの機会の銀座画廊での個展では、応援にひとりで出掛けた。

 

 その時もわたしはまだ多少若く、活力があった。

 朝早い「ひかり」に乗り込み、車中で東京の地図を広げ、

一日の予定を立てた。

 

 電車を乗り継ぎ、紅葉真っ盛りの時季の広い新宿御苑を

散策したあと、皇居へ。

外周を歩いて回ってるうちに時間が足りなくなって、

銀座に向かうべく、途中から走りだす羽目に。

折から、皇居外周マラソン大会のたすき掛けのランナー達に

交じり、バッグ片手にヒール履いて走りに走ったのである。

 

 

 

    

 感傷(センチメンタル) 旅行(ジャーニー)

 

 そして数年後、再びの銀座画廊での姉の個展に。

 

 新幹線に乗るのは数年振りである。

 

 久々の上京には長女が仕事を休んで同行してくれるという。

友人曰く 「やさしい娘さんがいて、いいわねぇ」

実は費用はぜ~んぶ、こっち持ち! なんです。

 

夕方までに個展会場へ着けばいいということで、

新幹線のなかで地図を広げた。

 

 ・・・何処がいいかな、吉祥寺はどう? と、娘。

 老いては子に従え。異存はなく、後ろに付いて乗り換えていく。

広大な井の頭公園の端まで歩いていくと、玉川上水に行きあたった。

 

えっ!  玉川上水?

 

  

偶然、思ってもいなかった場処に辿り着き、いろいろな想い

が交錯した。十代のころ、太宰治の文学に傾倒していた。

「人間失格」の作家が入水自殺したという川原の情景を、さまざま

に想像し描いたりもした。

 

 目の前の玉川は、柵で囲ってあり土手の下の水がちょろちょろ、

流れているばかりである。

近くに居た年嵩の男性は、私の問いかけに丁寧に答えてくださった。

「そうです、その玉川上水ですよ。

もう少し上流でしたがね。昔はもっと流れが速かったんです・・・」

 

 

感慨を胸に抱き玉川を後にし、三鷹駅まで歩く。そういえば、

その辺りの「三鷹」も「小金井」も太宰の本でよく馴染んだ地名

である。

 

 

おもいがけず、感傷旅行になった次の行き先は、六本木ヒルズ。

ビル群のなかでもひと際、斬新な建物が目を引く。

 
へぇ、これがヒルズかぁ~! おのぼりさんのごとく、しばし

前の広場に立ち尽くして見上げる。

 

ビル内は、さほど広くもなく窓もなく、外を見下ろすことも

できない。随所、取り澄ました印象でもある。オフィスのフロア

辺り、行き交うビジネスマン・ウーマン達が颯爽とエリート然に

見えてきたのは、気のせいか。

 

 

 

わたし達がそこを離れて、銀座ギャラリーでオープニング・パーティ

のワインを飲みだしているころ、六本木ヒルズは騒然の場と化していた。

 

 ビル内の「ライブドア」に東京地検特捜部の家宅捜索の手が入った

のである。

 

 わたしが見上げていた広場やビルの玄関口は、地検の捜索班や

報道陣、やじ馬でごった返しの騒動となった。

 

数年前の 一月十六日・月曜日のことである。

 

2014.02.03 所在

    所在

 

干魚の虚ろなまなざし

みつめられながら

わたしは贖罪の箸をのばす

こんど うまれかわるなら

花になるのだよ

 

   *

 

ときどき迷い込む ゆめのなかの薄い霧

不安な橋や 茫漠の丘の前

行き暮れる傍らに

つ と立つ影がある

見知らぬひとだが 添われている

と かんじるほどのふしぎな安堵に

いっとき ゆめのなかのわたしは

温い揺らぎにつつまれる

 

夕餉のさなかに

屍が丸太のようにころがる飢餓のくにのことを

視ている

疾走しすぎた文明やくり返される殺戮破壊

荒廃していく魂など

はてに 氷河がとけ

樹林の土がながれ

水と森の星が

すこしずつ 傾いていくのは

ひとには 視えない

おおいなるものの手のうちではないか

 

うまれかわるなら

さらさらながれる水のほとりの

ちいさな石になれ

陽や風や 水のいろを映し

そのままのかたちで在りつづける

石であれ

 

     *

 

肉片や切身の

元のかたちを想い いっしゅん

怯むが

ゆめのなかのわたしでない

わたしは

それを口にいれる