2014.04.05 蝙蝠傘

    蝙蝠傘



前山の森にねぐらがあるのか
日暮れてくると ちいさな蝙蝠たちが黒い膜をひろげ
川の上を飛びはじめる


今は玄関にただ置いてあるだけの
黒い大きな蝙蝠傘をひらいてみる
まったく傘に頓着のないひとだった
よく忘れてきては持ち傘が替っていた

最後に残ったこの大きめの蝙蝠も
どこでどう調達したものやら
使われないまま さらに古びてさらに朽ちてしまえば
骨だけが残る


亡き骸は焼かれて灰になり
骨だけが残る
焼き場で骨を拾うとき
小柄な母は背伸びして
 ハイ ヨイショ、
ちいさな掛け声をかけながら長い箸でつまんで壺に入れた
順番が回ってくると
 ハイ ヨイショ、
 ソラ ドッコイショ、


リズムよく命も循環していけばいいのだが
なかなか そううまくはいかない
じぶんの最後のそのときがきたら
潔くいきたいのだが
それも なかなか


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