肝機能障害は・・

夫の病苦の元凶である。


若いときは普段から 

・・・オレは百歳まで 生きるゾ、

生来 楽天的な明るさで よく笑い 豪語して、
その通り、体育会系の超・元気なひとだった。


妻が  
 ・・・うつ~、   うつになったよ~~、
と叫べば  
  
 ・・・うつ?    なんだ、それ、??

 ・・・肩が凝る~、   頭痛がする~~、
と嘆けば 
・・・ん??  そんなもん オレは一切知らずにきたぞ、
   ワッハハハハハ、、、




   
    初の人間ドック

そんな夫が どういうわけか、40代半ば過ぎた頃、
突如 人間ドックに申し込んで 人生・初 受けてきた。




     青天の霹靂

思いもしない結果だった。

肝臓が一部 肝硬変化しているという。 
血管腫もあり、手術・要・・・。



あとで思えば、 夫の身に、なんらかの異変が
生じてきていて、 普段の夫ならあり得ないような
ドック入り・・を思い付いたのかも知れない。


が、 本人は元より 妻にも  俄には 信じ難い
衝撃的な結果であった。


夫は、手術。  長期入院した。
以降のことは、  思い出せないほどの、(心理的に
忘れたい意識による?)  昏い長い長いトンネル
に閉じ込められた・・・時期を過ごしている。



   
    
    
     手術後

夫は 以後 ビールの晩酌も断ち、(タバコは独身
の頃に辞めている) 
残業も断り、通院加療も怠らなかった。

節制の甲斐もあって、
その後はしばらく、比較的 穏やかな ささやかな倖せ
ともいえる時代を過ごした。




   
   
    それでも、 それなのに。

病魔は見放してはくれなかった。

長女は 保育士となり、次女は大学生・・・、





   
    肝臓に小さな点、、、

が 認められた。それは 何とも確定出来ない・・ほど
の 小さな小さな白い影が数点。


手術は不可能とされ、
患部に直接 抗がん剤を流すためのチューブを動脈に
埋め込む手術を主治医に勧められ、リスクへの不安から
いったんは断ったものの、家族の逡巡を押し本人の意思
で手術を決めた。

*夫の決意は おそらく 抗がん剤の辛さと治りたい
一心であった・・ゆえと思われる。






     手術事故

術中、事故が起こり、動脈から血栓が脳幹に詰まり・・・。
数日  意識 戻らず。

   





     壮絶な過酷な

闘病生活がはじまった。
本来の病変に加え、  視野欠損、手足麻痺、言語、
記憶障害・・・、   あの元気だったひとの面影は
すっかり 消えた。


以後、再発・入退院を繰り返すこと9~10回、、、
救急車搬送、ICUで生死をさまようこと 数回。
  




 
    もう 桜は 散ったか?

最後の入院は3月から4月にかけて。
この時は脳の再発ではなく、肝機能の悪化で衰弱して
いるようだった。 

が、 車椅子で病院前の満開の桜を見ることもできた。



熱が下がらず、医師から肺炎の急変を告げられた。


モルヒネがよく効いての影響か、
果物もよく食べ、、、



2月・長女の結婚、3月・次女の大学卒業を見届け、


娘たちに父親らしい気遣いの言葉もかけ、
こんな会話もした。




  ・・・もう  桜は 散ったか?

  ・・・もう どこも痛くないよ
     よくなったよ・・・







    夫を見送って

涙も出なかった、・・・・ことは以前にも書いた。

涙も出ないじぶんのことを   
なんと薄情な、 
サタンだわ・・・とも思った。



家族葬と決めて、その数ヶ月後、
亡き夫の生きた証しと追悼の意を込め、
また 葬儀に呼ばなかった人たちへの 謝意も含め、
カラー写真入りの追悼号を作った。
(辛い作業の連続であったが。)




   
    終了の鐘が鳴る・・・


田辺聖子さんこと・おせいさんの、
カモカのおっちゃん・ご主人を 見送っての感想、

「テストの授業が終わって、  キンコンカ~ン、
終わりの 鐘が鳴ったの」 

と いうのを読んで、、、、


思ったのだ。  気付いたのだ。
 

看取る側にとっても 実に辛い長い、光りも
視えぬ昏いトンネルで、、、


テスト勉強が ようやく終わって、
キンコーン、カーーン、   終了の鐘が鳴る。

  


   
    そして。

それは   同時に。

亡くなったひとの  辛い辛い壮絶な テスト勉強・
終了・・・・。 


キン、 コーーン、  カーーーン!!   

荘厳な  終了の鐘が    鳴り響いたのだ。


 

  
  
   逝ったひとよ 
     ほんとにほんとに、、、

終わったんだ、   終わったよ、・・・

そういう  (無意識的な) 安堵の  想い。
哀しみより   何より   その想い。

それで    涙も出なかったのだ。。。

  
・・・ということに 気付いたのだ。





    送って以後の各手続き

手間暇の掛かる それらが ようやく 一段落して、
暫くした ある日、



ストン、   と   哀しみが  落ちてきた。

滂沱の  涙が    あふれ出た。



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