六月――竹林の道

 

 

笹の葉が揺れる小道を

辿っていくと

その寺はあった 

禅寺のような重厚な山門ではなく

村の民家に囲まれた お寺さんの

風情である

「牛臥山」ともいう

 

寺屋根の後方を見あげれば

低く緑なす山々が横たわっている

なだらかな背のあたり

削り取られ赤土がながれこんで

すこし痛々しい牛だ

 

信仰は持たないが

寺町に生まれ

境内や社の杜を遊び場として

そだってきた

馴染んだ風景である

 

これまでの短くはない道のり

ときに行き暮れては

鬱蒼とした樹木に

かこまれた丸い空を見あげてきた

 

丘陵をのぼると

ひろがる田んぼが見える

山がわには竹林の群がつづく

「秋葉権現」 「岩屋不動みち」

石の柱を横に見て さらに進めば

昼でもなお昏い竹林のなかの小道

 

さわさわ さわさわ

伸びた長い竹が 揺れる 

笹の葉が 揺れる 揺れる

 

水無月 梅雨晴れ間の風に

吹かれ吹かれて

彷徨うごとく あるきつづけた


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