詩・ニ編 



  夜の山で、


ひとには遭いたくありません
百年先にお目にかかりましょう 

明るい日中をさけて 夜に出ます

月以外だれもいないはずの 夜の山で
ときどき すれ違う影がある

叢に挟まれた細い一本道を
うすい影をまとい風に揺られながら
下りてくる

すれ違うときは
華奢な身を斜めに傾け 貌を背けていく


月に架かる光りの こちら側では
山径で出遭った時は
声を掛けて挨拶するのが不文律だが
その影は 声もなく 
ふわり 横をすり抜けるように
遠去かっていく

こちらも 声を出さず
俯きながら 見ないようにそっと窺う

遠目 歩く姿は女人にも見えるが
闇のなか 男女の境界はさだかではない

百年先に出遭うひとだろうか


月は知らないふりで 
あっちにもこっちにも光って付いてくる









  空、はざま


夏から秋へ
例年より長くとどまっている暑さ
の さなか、

前触れもなく ある朝
いきなり 夏雲から秋模様の雲になる

鰯雲、鯖雲、鱗雲、綿雲、
片々 雲の群れが並んで散らばる

雲のかたち 空のかたち
はざまには  深い蒼が広がる

  * 

地上では非情さが血に染まって散らばってます
身近には 病と闘うひとがいます

  *

どれも この蒼い空のした
あらがいようのない理不尽な

せめて この碧き
空の祈り  雲の祈り




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