2017.01.21 詩 詩人通信
              詩
  
詩人通信・(試作)



詩人からの便りに

歩き遍路に出始めた

とあるのを目にとめて


からだも手も止まってしまった


   *

老い始めのころ
生涯 し得てないこと 気になっていること
ひとつひとつ
過去の清算をするごとく片をつけてきた


ただ 一つ
残ったのが 歩き遍路のことだ


せめて
一昨年 最初の札所
昨年 最後の札所
バス旅での遍路をした 

 
商売熱心にはためくカラフルな寺
それに見合わぬ慣習や細かなしきたり 
込み合うひとの群れ


胸に沁み通るもの何もなく
落胆の旅の帰路だった 


歩き遍路ならば・・・
と 思うものの 
もう わたくしはとしを取って
 歩き通すことが出来そうにありません
 

そうして
し残した最後の思い


冬しぐれの窓のさき
河のながれに 思いを放った
ちいさな渦に見え隠れしながら
しぐれながら
それは
向こうへながれていったようだった


 *

黒い猫が軒下で頚を埋めて蹲っている


それから 
わたしは老いた黒猫みたいに丸まって
過ごしているような気がする


詩人のいきおいある筆致
果敢なる挑み
とつぜん 舞い込んできた便りに
動揺かくせず



    
そう・・・
そして・・・
老いた黒猫に鼓舞の声掛けをしてみた


埋めた頚をもたげ

ふたたび

立ち上がれ



Secret

TrackBackURL
→http://fuurenka231.blog.fc2.com/tb.php/460-fc2715db