序章
   

        同
窓会の案内状

 

 昔、旧友をモデルにした掌編を書いた。

それをブログに リニューアルして書き直すつもりになっていた

・・・ちょうどそんな時にトツゼン、同窓会の案内が舞いこんできた。

 

 

 第一回目以降、5年ごとに開催ということだった。

 その後、数回、欠席することのほうが多かったが、三年前の

折に、久々に出席した。

 

今回、五年後の予定より早めの開催であるようだ。

案内には、

“一年のサイクルが年をとるごとに短く感じる今日この頃です”

と書いてある。

 

 

 創作・掌編は、==フイクションです、該当者は有りません

詮索無用に!==

と銘うったところで、また滅茶古い時代の内容であるにせよ、

同級の誰かの目に入れば、好奇心から詮索、割りだしたりされる

かもしれない、   それは 作者として本意ではない。

 

 

 

中学の同級生に向けての“ものがたり”の構想をはじめた矢先、

同窓会案内が届く・・・って、 ナニ、 この  タイミング!!

ちょっと驚いている。

 


   

         第一章   

     

     憶えてますか? 同級生たちへ

 

 

        投書箱の怪

 

 旧友の創作は延期することにして、別に思い出されたことがある。

これまで、数十年封印されていた、記憶の底の底に埋もれていた、

こんな事柄。

 

 

 当時のクラスの教室には投書箱が、設置された。

イッタイ ダレが発案したのか、他のクラスにもそれはあったのか、

担任は知っていたのか、

 

 その辺のことは不明である。

 

 無記名での投書を、郵便箱みたいな箱に入れるのである、

まだ たかだか中学に入って間もない年ごろで、建設的な意見

など出ようもなく、無記名であるからして、それはほとんど、

個人名指しの誹謗・中傷の内容が占めていた・・・ようだ。

 

 わたし自身は幼い意識ながら、無記名でひとの悪口書くなんて、

卑怯だ、気になることがあるなら本人に直接言えばいい・・・と

いう考えで、投書箱とは無縁に、内心苦々しくさえ感じていた、

・・・、のではあるが、いかんせん、ひとりの弱者の意見など

通る状況でもなく、立場でもなく。

 

 

  

 

知ってますか? 投書の行方を

          ひとりの女の子の その後の悲哀を

 

 わたしは小学・中学途中までは とてもおとなしい、人見知りの

つよい、か弱い女の子だった、

 と言うと、中学後半からしか知らない友人たちは、

へっ!  だれが か弱いって?!   ワツハハハ・・・

カラカラ、笑うであろう。 

 小学から中学一、二年の半ばまでしか知らない同級生たちは

うんうん、・・・って頷くかもしれない。

 

 

 当時のクラスには 頭が良くて、美人で、背が高くて、何を

取ってもずば抜けたTが居た、まわりの女子の憧れでもある。

T自身はどちらかといえば、控え目なタイプで進んで女王気取り

するようなひとではなかったと思う。

 

 でも、まわりの女子たちは、Tに群がり、いっせいに一緒に

くっついて行動するようになっていた、女子が20名居たとすると

18名がTの傘下、いや子分衆であった。

 18人以外の1名は T当人、残りの1名は わたし。

 

 Tのことはキライではなかった。小学6年の時も同級で、

Kちゃん、T、わたし、三人で一緒に帰ったりしたし、

Kちゃんとふたりで、Tの家に遊びに行ったりもしている。

 

 家へ呼びに行って、  

 

なに してた?  と聞くと、

  

― かきつばた の 花の 観察をしてた ―  

と 言う。

 

Kちゃんとわたしが遊びほうけてるあいだにも、

・・・花のこと調べてるんだ、アタマのいい人って違うなぁ!・・・、

子どもながら 感嘆したのだった。

 

 

 

ある日の投書箱の中に  Tへの誹謗の意味の投書が入っていた。

   威張っている、とか いい気になってる、とか

そんな内容ではなかったか。 とにかくその辺はよく覚えていない。

 

投書が読まれた時、クラスの誰もがみんな固まった印象で、

Tは下を向いたままだった・・・。

 

 イッタイだれが書いたの?・・・ 女子の誰もが考えただろう、

なにせ、18人が取り巻き連中なのである。

 

 それでも わたしはノー天気に その後、じぶんの身に襲ってくる

恐ろしい疑惑を被る不安も心配もしていなかった。

 

               第二章へ  続く

    

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