前回12・6記の 洋菓子&和菓子
シュトーレンとかりんとう饅頭、また買ってきました!
多めに買ってきたシュトーレンは娘たちにも好評。
甘い物苦手な三歳女児もいつのまにか手を出してきて一つ
平らげた・・・。
来客への お も て な し にもぴったし。
上記の語 自分で使っといて言うのもなんだけど、
近頃、使い過ぎて馴れ過ぎて、この語の本来の“ゆかしさ”
が薄れてきてる・・・ような?!
トレイルトレッキング(長い散歩)
十一月中旬~頃 NHK放映 趣味・歩く旅
熊野古道 那智から本宮へ
というのをビデオで撮っておいて後日に見た。
数年前に長女と二人で歩いて来たところなので随所、思い
出され懐かしかった。苔むした石畳みの段を喘ぎながら登り、
茶屋では座り込んで汗を拭いた・・・。
交通手段と宿だけ手配してもらい、古道に関しては、ろくに
下調べもせず、地図も持たず・・・、よくまぁ、行ったもんだ
・・・、と今にして思う。
熊野古道は“長い散歩”のレベルではない、かなりキツく
しんどい行程である。
わたしたち母娘は最後に那智に着いて、豪快・神秘な
(震災以前の)滝を眺めているので、今回放映の古道の
コースとは逆であったようだ。
テレビでは、宍戸開さんと皆藤愛子さんのお二人が案内人
であるシェルパ斎藤さんに先導されて歩きつづけテント泊り、
という本格的コース。
前半と後半、斎藤さんの名を聞いても別段特に何も感じず
見ていたのだが、最後に宍戸さんが、シェルパ斎藤さんに
質問して、斎藤さんが答えた、
―以前、犬と一緒に歩いていた、
―犬の名前はニホ、・・・
・・・えっ! ニホ?!
一歩 ニホ 三歩 の ニホちゃんだぁ~!?
思い出した! “歩く旅”案内人を務めた斎藤さん、
斎藤政喜氏・往年のバックパッカーであり、紀行作家であり、
「犬連れバックパッカー」など著書も多数書いておられる。
テレビでも最初にその説明はあったかもしれない。
なにしろわたしは半分ぼぉ~、と見ているので・・・、
最後まで気が付かずにいた。
「シェルパ斎藤と愛犬ニホの行きあたりばっ旅」小学館
以下 抜粋する。
-それにしても不憫な犬だ。生まれてからまだ一度も人から
愛されたことがなく虐待されていたなんて・・・。
これからは自由にのびのびと育ててあげる。そして愛される
ということがどんなことなのか、ぼくが教えてやろう。
-いつもひとり旅だとぼくのアンテナには周囲の雑言な情報
が飛びこんでくるのに、今のぼくはニホを中心に風景が展開
していた。ニホがいれば周囲の環境なんてどうでもいい。
ニホの姿、仕種を眺めているだけで、ぼくの心は満足していた。
-ベビーカーに乗ったニホは、腰を丸めて寛ぎ、前足を
ベビーカーの枠に載せて周囲の景色を眺めていた。ぼくが下を
向くと、ニホも顔をあげてお互いの目が合う。これだけのこと
でも、なんだか幸せな気持ちになれる。
***ニホちゃんは、斎藤さんみたいな優しいひとに
引き取られ、あちこち旅のお供をして・・・、
以後はじゅうぶんハッピー!だったと思う。
ニホちゃんとの旅の記を思い出しながら、テレビ画面の
斎藤シェルパを眺めると、・・・なるほど、優しさが皺ととも
に滲んだお顔に見えた。
不滅の哲学
もう一人の書きたかった作家は、池田晶子氏。
最近の新聞紹介の項で、 -四十六歳の若さで没した哲学者。
とあって驚いた。
亡くなられたことを知らずにいた。
「死と生きる 獄中哲学対話」 池田晶子 陸田真志
陸田は大学中退、フリーター、度米、風俗店、という経歴の末、
最後は人を殺める事件を起こし、極刑の判決を受ける。
以下、池田晶子氏の文を抜粋
-その彼が判決を前にして、私に「お礼」が言いたいという。
逮捕され、拘禁されて、初めて罪の重さに気がついた。罪の重さ
に苦しみ、罰の重さに怯え、悩みに悩んでいたとき、私の著書に
出会った。
―現代ふうにアレンジして書いたかの死刑囚ソクラテス
の対話篇「さよならソクラテス」である。彼はそこに書かれて
ある言葉を読み、「何かがわかった」。
続けて、原典「ソクラテスの弁明」を読み、「はっきりとわかった」。
「ただ生きることではなく、善く生きることなのだ」
だから判決が死刑であっても控訴せず、このまま善く生きること
で死んでゆけると書いてある。
これに対し、私は異を唱えたのである。もしも本当に善く生きる
気があるのであれば、自分が知り得た真理と幸福を、他人に知らし
めるべきではないだろうか。したがって、「控訴せよ」。
***こうして行きがかりとはいえ、易しくはない池田氏の
罪と罰・往復書簡はつづけられたのである。
そして哲学家・池田氏は
―人を殺しておいて、そのうえ、かっこよく死んでやろうー
という陸田にたいして、 甘えるな。 と一喝されてもいる。
小気味よく、“しなやかな感性や細やかな感情”をもった作家
でもあったのだ。
***新聞紹介記事
「池田明子不滅の哲学」若松英輔著 トランスビュー
***なぜか、熊野古道を歩いたときの旅の記録メモをして
いない。が、帰ったあと書いた詩の作品がかろうじて紙上に
残っている。
次回に その作品を。